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1912年の中華民国成立当初は経済状況は、清朝の対外賠償金を継承し、また鉄道や税関などの収入源を賠償金の担保として列強の支配下に置かれていたため危機的な状況にあった。
また建国当初の政争に加え、中国共産党との対立、更には日中戦争と国内での混乱が続いたことでさらに経済状況が悪化し、物資が軍需用として優先使用され、その物資の輸送も限定された交通手段に頼っており国民経済は困窮を極めた。
日本の敗戦後は、特に満州及び台湾地区で、日本が残した資産を活用した工業化などによる経済建設が計画されたが、まもなく開始された国共内戦により経済政策の実施は頓挫、また中国国民党が行った紙幣の乱発による急激なインフレなどで台湾地域の国民経済は崩壊の淵に立たされることとなった。
1949年に台湾に移った国民政府は「大陸反攻」を実現すべく国力の充実を図り、経済方面でも乱発した貨幣(中国国民党政府軍が発行した旧台湾ドル)を廃して新台湾ドルを発行しインフレを抑制、傾斜生産方式を採用した工業化を図るとともに、冷戦下のアメリカからの経済援助を活用しての経済政策を実施、それまで農業と農業関連の加工業が主であった台湾地区の経済を軽工業、やがては重工業へと転換させることに成功し、現在ではアジア有数の先進工業国としての地位を確立、特に、マザーボードや液晶、レーザーモジュールやPCなどの高度な技術開発力を必要とするIT関連や、自動車や家電製品をはじめとする製造業、海運や航空業でその強みを発揮し、世界トップクラスの外貨準備高を擁する経済大国へと変貌している。
2000年代以降は中華人民共和国やインドなどの、低賃金の単純労働力を提供する発展途上国の台頭によって、高度な開発、生産力を必要としない製造業においては工場の海外進出に伴う産業の空洞化が進行したが、これに対し政府はITへのさらなる投資と併せて、バイオ産業などより高い技術を有す産業に重点を置く政策に転換しつつある。
また、華僑ネットワークに支えられた、全世界ネットを駆使した世界戦略も中華民国独特の強みである。アメリカや日本で注文を取り、中華人民共和国やベトナムに製造させる仲介的戦略も、この華僑ネットを利用している。近年は高雄港や基隆港、台中港が中国大陸や東南アジア、および太平洋地域における海運の重要なハブとしての地位を獲得しており、コンテナ取扱高世界一を誇る一大海運企業である長栄海運などがそれを後押しする形となっている。
中華民国の経済は日本経済と共通点のある面が強い。資源小国であることから技術力、工業生産力に依拠し、世界市場で優位に立てる高付加価値製品を開発製造することによって、外貨を獲得する加工貿易が基本である。また独立志向の強さが国民性であり、それが経済に活力を与えると同時に、大企業成長に必要な人材の確保が困難な一面もある。
台湾地区における中華民国の経済に関しては台湾の経済も参照のこと。