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2.歴史
2.3.俗ラテン語

古典期が終わると、人々が話すラテン語は古典語からの変化を次第に顕著に見せるようになっていった。この時代に大衆に用いられたラテン語は俗ラテン語口語ラテン語)と呼ばれる。2世紀、あるいは3世紀頃から俗ラテン語的な特徴が見られるようになっていたが、時代が下るにつれ変化は大きくなり、地方ごとの分化も明らかになっていった。

古典ラテン語には Y を除けば5母音があり、長短を区別すれば10の母音があったが、俗ラテン語になるとこれらは以下の7母音になった。

1 2 3 4 5

古典期の長母音6 に、 は 7 に変化した。また短母音 89 は、俗ラテン語ではそれぞれ と になった。古典期の V は、子音としては と発音されたが、俗ラテン語の時代には に変化していた。さらにアクセントピッチアクセントから現代ロマンス諸語と同様の強勢アクセントに置き換えられていった。古典期の と も変化を起こした。これらは前舌母音( や )の前では軟音化して口蓋音化(硬口蓋音化)し、それぞれ 、 の音になった。

俗ラテン語では動詞などの屈折にも変化が起きた。動詞の未来時制では、古典期の -bo に代わり habere(持つ)の活用形を語幹末に付した形式が用いられ始めた。指示詞 ille は形が変化し、次第に冠詞として用いられるようになっていった。名詞の曲用では格変化が単純化され、主格対格は同一(特に女性名詞)になり、属格与格も統合された。単純化した名詞のに代わって前置詞が発達していった。例えば属格に代わり de が、与格に代わり a が用いられ始めた。

イタリアイベリア半島ではやがて名詞格変化は消滅し、フランスでも12世紀頃には使われなくなり、ダキアで使用されたのちのルーマニア語を除いて格変化はなくなった。このような文法的特徴のみならず、音韻面や語彙でも地方ごとの違いを大きくしていった俗ラテン語は、やがてロマンス諸語と呼ばれる語派を形成した。

(出典:Wikipedia)

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