ランキングモンスター

死刑存廃問題-死刑存置論の系譜について調べるならランキング★モンスターで簡単チェック!!
3.死刑に対する思想の歴史
3.1.死刑存置論の系譜
死刑存置論の系譜は、自然権と社会契約論を唱えたトマス・ホッブズジョン・ロックイマヌエル・カントなどの啓蒙主義時代の思想家が、世俗的理論のもとに社会秩序の維持および自然権(生命権)の侵害に対する報復などによって、死刑の必要性を再定義したことから始まる。そのほか、モンテスキュールソーヘーゲルといった文化人も死刑存置論を主張<ref>立石二六『刑法概論』成文社 2004年 346頁</ref>した。
ルソーの社会契約論の第五章「生と死の権利について」のなか<ref>三原『死刑存廃論の系譜』19~20頁より引用</ref>で「社会契約は、契約当事者の生命の保存を目的とする。目的を達成しようとする者は、手段をも真剣に望む(中略)他人を犠牲にしてみずからの生命を保存しようとする者は、必要であれば、同様に他人のためにみずからの生命をあたえなければならない」としたうえで、市民の生命は国家から条件付で与えられたものであると主張している。そのうえでルソーは「犯罪者に科せられる死刑は、暗殺者の犠牲にならないために、われわれは、もし自分が暗殺者になった場合には死刑になることを承諾するのである」としたうえで、国家の一員である以上は、契約に違反したものは追放もしくは公共の敵として死刑になることで国家から切断されなければならないと主張した。その一方で「刑罰が頻繁に行われるのは、つねに政府が弱体化怠慢の兆候である。どんな悪人でも、何かの役に立つようにしむけるものができるものだ。生かしておくと危険だというもの以外には、たとえみせしめのためであっても、殺す権利はだれにもない」と主張しており、死刑の濫用を戒めている。このことから、ルソーは死刑を肯定しているが、これは死刑で犯罪を抑制し、相互の人命を尊重させる社会防衛上の思想であるといえる。
ホッブズは「哲学者と法学徒との対話」の中の(5 死刑に相当する重要な犯罪)で死刑を肯定している。またモンテスキューも同様に肯定しており、社会契約説は死刑を合理的なものとして肯定できうるとしている。また後世になっても、社会契約論を死刑存置の根拠する系譜は存在する。
ドイツ・プロイセン王国出身の思想家でドイツ観念論哲学の祖であるイマヌエル・カントは「人倫の形而上学の基礎づけ」の中で、すべての人間に尊厳があるために、死刑が適切である罪に対して死刑を行うことを避けることは犯罪者の人間の尊厳を否定し不平等であるとしている。またカントは死刑廃止論を「詭弁であり枉法」であると批判し「人を殺したものは死ぬべきである。これはまさに正義の要求だ」というように主張した。カントのこの刑罰論は絶対的応報刑論というものである。これは、刑罰とは悪に対する悪反動であり、動と反動とは均衡させなければならず、悪反動の内容は害悪でなければならないという考えである。そのため、殺人行為に対しては死刑という刑罰をもって犯罪を相殺しなければならないという考えで死刑を理論的に正当化したのである。
20世紀初頭、ドイツ・ベルリン大学のウィルヘルム・カール教授は法曹会議のなかで『死刑は刑罰体系の重要な要素であり』として人を殺したる者はその生命を奪われるというのは『多数国民の法的核心である』と主張した。またアメリカ合衆国のケンダルは、ルソーの社会契約論によって死刑制度は肯定できるとしていた。このように政治犯などに対する死刑と、人を殺めた凶悪犯罪者に対して行われる死刑は、社会契約説から全く別であり、肯定できるとした。
死刑制度の存続賛成派は、その目的として犯罪を予定する者への威嚇効果、つまり(殺人などの凶悪事件)犯罪抑止ないし犯罪抑止力。または人権を剥奪された被害者ないしその遺族の救済(つまるところ報復の代行)などを根拠に死刑を維持<ref>廃止されている場合には復活。明確な意味で復活したのはイタリアなど少数である</ref>すべきとする。また、死刑制度の廃止派はたとえ人命を奪った凶悪な犯罪者であっても人権はあり、死刑そのもの自体が永久にこの世から存在を抹殺する残虐な刑であり、国家による殺人を合法的に行うことであり是認できない、刑事裁判の誤判による冤罪による処刑を完全に防ぎきれない、などを根拠に廃止すべきと主張する。
現在に至るまで、死刑存置論と死刑廃止論をめぐっては、激しく対立しているが、どちらの主張が正しいかを客観的に判断することは誰にもできない問題である。また論理的でない感情論も場合によっては入るため、現実として問題の解決はありえないかもしれない。そのため、死刑制度を存続するにしても廃止するにしても、法学のみならず、死刑制度の存在をどのように見るかで大きく変わるものであり、そのため法学のみならず思想的かつ宗教的な問題や哲学など様々な主義主張が交錯しており、犯罪被害者ないし犯罪者双方の人間の生命についてどう考えるかという根本的な課題<ref>菊田幸一『Q&A 死刑問題の基礎知識』明石書店126頁より引用</ref>であるといえる。
(出典:Wikipedia)

ランキングモンスタートップ死刑存廃問題>死刑存置論の系譜

死刑存廃問題を検索
死刑存廃問題のブログを検索
死刑存廃問題の動画を検索
死刑存廃問題の画像を検索
死刑存廃問題の書籍を検索
死刑存廃問題の音楽を検索
死刑存廃問題のDVDを検索
人気の音楽・映画・コミックのランキングランキング★モンスターでチェック!