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死刑制度を維持している国では長年に渡って刑罰の一つとして死刑を存続させる死刑存置論と死刑制度を廃止させるほうが適切であるとする死刑廃止論との議論が繰り返されてきた。前者の場合は、現状維持派とみなされる場合もあるが、死刑の適用は裁量的なものであり、適用が厳罰化で拡張される場合も、また寛容化で縮小される場合もありえるため、必ずしもそうとは言い切れない。
なお死刑制度が廃止されている国の場合には死刑復活問題となり、現在では、凶悪犯罪に対する抑止力が、復活する理由として主張される。実際にアメリカのいくつかの州では一旦、死刑を廃止したものの後に復活しているし、イギリスやフランスでは否決されたながら議会で検討された事もある。20世紀後半以降一度死刑が廃止された後に復活した国は少なく、また復活させた場合でも国際世論の動向を警戒し実際に執行された国はさらに少ない。
近代社会において、死刑の適用が除外されたものに政治犯に対する刑罰がある。古代より政権を握ったものが反対者を反乱者として処刑する事は珍しくなかった。革命やクーデターといった政変による、例えば外国の軍隊を日本に侵攻させる外患誘致罪は死刑しか規定されていない。また、現在でもイスラエルによるパレスチナ人などへの暗殺のように、名目上死刑廃止国であっても、裁判という形を取らずに人を殺す国家もある。またミャンマーのように死刑が停止されていても人権侵害による犠牲者を出している国もある。
1989年12月、国連で採択された「国際人権規約」の「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第二選択議定書」には、随意項目として死刑廃止が存在する。これを加えて廃止を選択する国は、国際条約に基づき『戦時中に犯された軍事的性格を有する極めて重大な犯罪に対する有罪判決によって、戦時に適用することを規定』(第2条1項)されている戦時犯罪を除き平時全ての死刑を廃止することになる。なお、戦争犯罪も裁くことがある国際刑事裁判所は、大虐殺を指導した国家元首であっても死刑は適用されず、言い渡せる最高刑は30年の懲役刑である。
1990年ごろまでは、死刑維持国が大多数を占めたが、一党独裁ないし軍事独裁政権であった国家が民主化した直後に東欧や南米の諸国が死刑を廃止し、死刑廃止国の数が増加した。一方で、アジア・アフリカ・中東においては、民主化の後も死刑を維持する国が多数存在する。
1990年代以降、国際社会では死刑制度の廃止に踏み切る国家が増加している。特に死刑の廃止を主張する欧州連合加盟国の強いヨーロッパでは、死刑存置国も死刑の執行停止をせざるを得なくなっており、唯一死刑の執行を続けていたベラルーシが「人権抑圧国」として糾弾されている<ref>ただし実際に政治体制も政府批判を許さない強権的なものであるとの指摘もある</ref>。また国際連合も死刑廃止条約を推進することなどから、外交の一環として死刑制度に対する国際的圧力は増大しているという考え方も存在する。なお一部の死刑存置派は一連の動きに対し、国内状況が死刑制度の廃止ができない状態であれば死刑は維持すべきものである、としている。
以降の統計)</ref>。
この動きに対し、欧州連合は死刑制度維持をしている国への対応として、国際連合の人権委員会で「日本の人権問題」として「死刑制度の廃止もしくは停止」を求める勧告を出させている。2008年も欧州連合は同様の決議を提出する予定で、10月28日、日本で同日行われた2名の死刑執行に議長国フランスは「深く憂慮している」と表明した。
国連の死刑廃止条約や、EUの死刑廃止ガイドラインは、通常犯罪に対してのみ死刑のみを禁止しており、戦時の死刑については国家の権利として認めている。死刑廃止論の祖であるベッカリーアを始め、過去の死刑廃止論者・団体は、平和時の通常犯罪に限定して死刑廃止を主張しており、戦時下など国家の危機における死刑については対象としないことが多かった。しかし、近年では戦時も含めてあらゆる死刑に反対する考え方が広まっていると思われる。なお2008年1月1日時点において、「戦時犯罪も含め、あらゆる犯罪に対する死刑を廃止した国家」が91ヶ国であるのに対し、「戦時の逃走、反逆罪などの戦時犯罪は死刑があるものの、通常犯罪のみ死刑を廃止した国家」は11ヶ国となっており、戦時も含めてあらゆる犯罪に対する死刑を廃止している国家の方が圧倒的多数となっている。