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冤罪をできるかぎり予防するためには不十分ではあるが、冤罪を予防するため刑事手続上様々な制度が整備されている。日本では、たとえば以下のような手続きが定められている。
まず、捜査機関による捜査に一定の歯止めをかけることで冤罪を予防しようという試みがある。日本の場合、日本国憲法および刑事訴訟法における自白法則と補強法則の採用が冤罪防止に一定の役割を果たしている。
- 自白法則とは拷問や脅迫などによって引き出された任意性のない自白は証拠とすることができないという原則(日本国憲法第38条第2項、刑事訴訟法第319条1項)である。また、補強法則は自白を証拠として偏重すると苛烈な取り調べによって虚偽の自白が引き出され、冤罪が発生するおそれがあるため、自白のみによって、被告人を有罪とすることは出来ないという原則(日本国憲法第38条第3項、刑事訴訟法第319条第2項)である。
また、起訴された際には予断排除の原則(起訴状一本主義など)により、捜査機関の嫌疑から裁判所を遮断することで、当該犯罪とは無関係のものの有罪判決を防止するための制度設計がなされている。
- 過去においては密室で行われる取り調べに対しては、司法が介入することは暗黙に避けられていた。しかしながら今日においては暴力的な手段を講じて取り調べに当たった検事に対する告訴を検察側が適切に対処するなどの事例が見られ、司法の側からも冤罪根絶の取り組みも行われている現状にある。
しかし、現在でも依然として冤罪事件が根絶されたわけではなく、違法・不当な取調べが指摘されている事例もあることから、取調べを可視化すべきだという主張もなされている。これは、取調べの全過程を録画・録音することで、違法な取調べがあったかどうかを検証できるようにすべきだというものであり、冤罪防止に一定の効果があるものとされる。しかし、すべての過程を可視化することにより、記録が動画として半永久的に残り記録された取調べ映像が捜査関係者以外に見られる可能性が格段に増すことになり、被疑者が羞恥心を持つために自白をためらい真相の解明ができない可能性があるなどの反対意見を警察庁や検察庁が主張している<ref>東奥日報 2007年10月10日、警察庁幹部の話として「カメラが回ってる中で本当のことは話せない」。検察幹部は「言いたくないことを言わせる。真剣な場面では立ち会いの検察事務官すら退席してもらうほど緊張感があるものだ。組織犯罪の犯人が、後に公開されると分かって組織の人間のことを話すはずがない」。 </ref>。そこで、検察は2006年から、警察は2008年から、取り調べの一部録画を始めている。
裁判員制度の導入による刑事裁判の運用の変化への対策として、検察庁は捜査の一部録画を検討している。しかし、部分的な録画・録音では警察官・検察官の捜査に都合のいい部分だけ録画される可能性があるので、尋問の全ての過程を録画・録音すべきだという主張も弁護士会や学者などに根強い。司法取引の制度がある国と同一に論じることへの異議もある。
冤罪の多くが取り調べの段階で一旦自白してしまったことが裁判で重たく評価されるケースが多い。被疑者の側でも虚偽自白をしない強固な意志を持つことが必要であるが、捜査機関の誘導尋問や虚偽の証拠による惑わしや、罪を認めやすくする状況の作出、さらには長期化している取り調べによって被疑者が疲労困憊し、虚偽自白に陥りやすいという現状がある。また、虚偽自白は、若年層や知的障害者などに多くみられる。
冤罪を受ける人には前科や逮捕歴がある事が見られる(逮捕歴≠前科。「処分保留」や「微罪処分」もあるため)。この理由として警察は前歴のある人をリストアップしてまずその人たちに対して優先的に洗い出しを行うのが捜査の手順だからであると考えられる<ref>アメリカやイギリスでは前歴者の住所情報をインターネットで公開している現状がある。特に未成年への性犯罪の前歴のある人の情報を警察が把握しておくことの必要性が一部の報道機関や個人により主張されているが、日本ではアメリカやイギリスとは異なり、国民の多数意見ではなく、国会に議席を持つ政党の中で党の政策として主張する政党は無く、そのような主張は国会議員の中でも少数意見であり、現状で予想可能な範囲内では法律として制定される可能性は無い。</ref>。このような立場の人はそうでない人に比して冤罪が降りかかった時、自分のアリバイを実証できるように努めておく必要がある。