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本級は、アメリカ海軍が新世代の防空戦闘システムとして開発したイージスシステムをはじめて搭載したミサイル巡洋艦である。登場以来現在に至るまで、最有力の防空艦として空母戦闘群(現 空母打撃群)の対空防御をになっているほか、トマホーク武器システムによる対地集中精密攻撃、自艦装備のソナーおよびLAMPSヘリコプターによる対潜哨戒など、多任務に運用できる汎用艦である。
本級は、ミサイル巡洋艦ではあるが、対潜駆逐艦であるスプルーアンス級をベースとして設計されている。これは、イージスシステムが極めて高価であり、船体に投入できる予算が限られていたことによるものであり、また、スプルーアンス級が、当初より防空艦の派生を前提とした余裕のある設計を行なっていたためでもあった。しかし、スプルーアンス級の設計当初に想定されていた防空システムは、より小規模な旧式のターターD・システムであった。このため、イージスシステムを積み込むにはやや手狭であり、フェーズドアレイレーダーの設置箇所の分散、上部構造物のトップヘビーといった問題を生じた。
なお、駆逐艦をベースとすることから、計画当初、本級はミサイル駆逐艦に分類されていた。しかし、イージスシステムの極めて強力なC4I能力と対空監視能力をいかして、艦隊の防空指揮所として運用することが構想されたことから、1番艦の建造途中でミサイル巡洋艦に艦種変更された。この艦種変更には、同時期の巡洋艦よりも強力な駆逐艦という矛盾を避け、また、大佐の艦長ポストを確保する意味もあったといわれる。
イージスシステムには、継続的な改良を重ねることで複数のバージョンが生じており、この結果、上述の重心低下策とあわせて、本級にはおおむね5つのバージョンが存在する。このうち、最初期のモデルであるベースライン0の艦は2004年中に、次のベースライン1の艦も2005年までに全艦が退役した。これは、ベースライン1以前の艦はミサイル発射機として旧式のMk 26を使用しており、弾道ミサイル迎撃用のスタンダードSM-3や対地精密攻撃用のトマホークを搭載できないことから、コストに対して運用の柔軟性に欠けると判断されたことによるものである。
本級のイージスシステムは、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦のものよりも優れた対空戦闘能力を備えている<ref>たとえば、同時交戦能力については、本級が同時に16個の目標と交戦可能とされているのに対し、アーレイ・バーク級では12個とされている。</ref>ほか、指揮統制や情報収集・分析などC4I能力にも優れており、今後も、後継となるミサイル巡洋艦の就役までは、防空中枢艦として活躍するものと見られている。