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会社が事業を行うためには、資金が必要である。会社を設立する際には、前述のように、株式を発行して外部から資金を調達する必要があるが、設立後は、内部資金と外部資金という二つの資金源が考えられる<ref>神田 (2009: 119)、吉原ほか (2004: 1-3)。</ref>。
内部資金とは、事業活動によって得られた利益の内部留保(株主に配当しないで会社内に留保する利益)、又は減価償却の累積による手持ちの資金をいう。内部資金は調達にかかる費用がほとんどかからないが、多くの場合、内部資金だけでは資金需要をまかなうことができない<ref>神田 (2009: 119)、吉原ほか (2004: 1-2)。</ref>。
外部資本の調達方法には、(1)銀行等の金融機関からの借入れ、(2)新株発行、(3)社債発行などの方法がある。借入れ(間接金融)は、資金を機動的に調達できる方法であり、実際に広く用いられているが、返済の必要があり、また担保を要求される。これに対し、新株発行や社債による資金調達(直接金融)は、低コストで、広く多数の者から巨額の長期資金を集めることができる方法である<ref>神田 (2009: 119, 121)、吉原ほか (2004: 2-3)。</ref>。
銀行借入れや社債は、一定の弁済期(償還期)までに元本・利息を弁済(償還)しなければならない債務(デット)であり、貸借対照表上は負債の部に計上される。一方、株式は、会社にとっては償還や配当の義務を負わない自己資本(エクイティ)であり、貸借対照表上は純資産の部に計上される。債務と株式は、次のような点で異なる<ref>神田 (2009: 122-23)、吉原ほか (2004: 2-3)、Hamilton (2000: 210-11)。</ref>。
- 債務の場合、債権者(銀行、社債権者)が受け取るキャッシュフロー(利息)は契約で確定しているのに対し、株主の受け取るキャッシュフローは事前に確定しておらず、会社が債務を支払った後のすべての財産が株主に帰属する。そのため、投資者から見て、株式による投資はリスクが大きいと同時に事業が成功した場合は大きなリターンを期待できる。
- 債務の場合、弁済期に支払がされないと債務不履行(デフォルト)になるのに対し、株式の場合には、債務不履行が生じることはない。
- 株主は、会社の社員であり、株主総会における議決権など、各種の経営参加権・経営監督権を有する。
もっとも、社債であっても、償還期限を極めて長くとり、利息の支払を利益に依存することとし、他の債務に劣後することとすれば株式に近づくし、株式でも、非参加的・累積的配当優先株で、かつ償還株式・無議決権株とすれば普通社債に近づくなど、経済学的に見ると、株式と社債(債務)の境界はあいまいである<ref>吉原ほか (2004: 12)、Hamilton (2000: 211)。なお神田 (2009: 123)。</ref>。