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アメリカ合衆国の経済において、軍需産業は最大の産業または基幹産業または主要な産業であるとの、検証可能性を示さない伝聞情報が広く流布されているが、アメリカ合衆国政府が公開している経済統計や財政統計を検証すると事実ではない。軍需産業は他の産業と異なり、軍隊が唯一の消費者であり、社会全体を消費者とする産業と比較すると市場規模は限定される。軍需産業は高度な付加価値の素材や部品や機器やシステムを統合する産業であり、科学技術と素材や部品や機器やシステム産業の基盤が無いと成り立たない産業である。軍需産業に対する発注はアメリカ合衆国の経済や社会の状況と国際情勢と軍事政策に影響され、軍が望む予算や武器の購入は連邦議会で審議され、連邦議会が承認して可決し大統領が署名した予算分だけしか発注されない。
アメリカ合衆国のGDPに対する軍事費の比率は、1901年~1917年は1%未満で推移していた。第一次世界大戦に参戦して大規模な軍拡をして、GDPに対する軍事費の比率は、1918年は8.0%、1919年は13.9%に増大し、20世紀以後では三番目に大きな比率になった<ref>http://www.usgovernmentspending.com/budget_gs.php 2009年5月21日閲覧</ref>。
第一次世界大戦終結後は大規模な軍縮が行われ、GDPに対する軍事費の比率は、1920年~1921年は2%台、1922年は1%台、1923年~1931年は1%未満、1932年~1933年は1%台、1934年~1935年は1%未満、1936年~1940年は1%台で推移し<ref>http://www.usgovernmentspending.com/budget_gs.php 2009年5月21日閲覧</ref>、第二次世界大戦以前は平時にはGDPに対する軍事費の比率が小さい国だった。
が政治に影響力を行使する恐れがあると批判されるようになった。
第二次世界大戦終結後は大規模な軍縮をしたが、冷戦体制になり、GDPに対する軍事費の比率は第二次世界大戦以前の状態には減少せず、軍事費の比率が大きい状態が継続した。朝鮮戦争に介入して軍拡をして、1953年のGDPに対する軍事費の比率は14.2%になり、20世紀以後では二番目に大きくなった。朝鮮戦争停戦後の1954年~1960年は軍縮をしたが、冷戦初期の軍拡競争が激しい時代で、GDPに対する軍事費の比率は13.1%~9.3%で推移し、20世紀以後では四番目に大きな比率になった。ベトナム戦争に介入して軍拡して、GDPに対する軍事費の比率は1961年~1968年は9.4%~7.4%で推移し、20世紀以後では五番目に大きな比率になったが、1960年代は経済成長率が高く経済成長率が軍事費の増加率より大きかったので1950年代よりは比率は減少した。1969年以後はベトナムからの軍の撤退が進み大規模な軍縮をして、ベトナムから全軍撤退した1974年にはGDPに対する軍事費の比率は5.8%に減少し、冷戦の軍事対立緩和により軍縮が進んだ1979年には4.6%に減少した。1980年代は冷戦時代最後の米ソ軍拡競争になり、1986年にはGDPに対する軍事費の比率は6.2%に増大した。
冷戦終結後は大規模な軍縮をして、GDPに対する軍事費の比率は著しく減少した。1998年~2000年のGDPに対する軍事費の比率は第二次世界大戦後では最小の3.0%になり、1999年~2001年のGDP <ref>Bureau of Economic Analysis>Gross Domestic Product (GDP)>GDP and the National Income and Product Account (NIPA) Historical Tables>All NIPA Tables>Table 1.1.5. Gross Domestic Product http://www.bea.gov/national/nipaweb/TableView.aspSelectedTable=5&ViewSeries=NO&Java=no&Request3Place=N&3Place=N&FromView=YES&Freq=Year&FirstYear=1929&LastYear=2008&3Place=N&Update=Update&JavaBox=no#Mid 2009年5月21日閲覧</ref> に対する軍事費のうちの武器購入費(=軍需産業の市場規模)の比率は0.5%であり、軍需産業は最大の産業でも基幹産業でも主要な産業でもなくマイナーな産業である<ref>GPO Access>Budget of the United States Government>Browse the FY10 budget>Historical Tables>Table 3.2 OUTLAYS BY FUNCTION AND SUBFUNCTION: 1962 ~ 2014 Continued http://www.gpoaccess.gov/usbudget/fy10/pdf/hist.pdf 2009年5月21日閲覧</ref>。
2002年以後はアフガニスタンとイラクでの戦争のために軍拡をして、GDPに対する軍事費の比率は2008年には4.3%に増大したが、アフガニスタンとイラクでの戦争終結後は軍縮をすると予想され、GDPに対する軍事費の比率は冷戦終結後の1990年~2001年までの比率よりもさらに減少すると予測されている。
第二次世界大戦後から2009年現在にいたるまで、アメリカ合衆国の経済を構成する産業の多様化と、政府の行政サービスの多様化の結果、GDPと連邦政府支出に対する軍事費の比率と、経済に対する軍需産業の比率は、単年度や数年間の増減はあっても、第二次世界大戦時をピークとして長期的には減少傾向が継続し、今後も継続すると予想されている。
ストックホルム国際平和研究所の統計によると、2007年の世界の総軍事費に対して、アメリカ合衆国の軍事費は45%を占め<ref>International Peace Research Institute>SIPRI data on military expenditure>The 15 major spender countries in 2007 http://www.sipri.org/contents/milap/milex/mex_major_spenders.pdf 2009年5月21日閲覧</ref>、世界最大の軍事力大国・軍事費大国・軍需産業大国・武器輸出大国である。