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ゴムタイヤ方式を採用した札幌の地下鉄は、JR北海道の路線との直通運転(相互乗り入れ)が困難である。乗り換えを強いられるため、アクセスが悪く不便である一方、雪の影響を全く受けないというメリットもある。
市営地下鉄の建設が始まった昭和40年代前半の頃は、現在の札幌都市圏のように通勤や通学の範囲が広くはなく、当時の日本国有鉄道(国鉄)は、駅間隔も長かったことから、通勤・通学に気軽に利用されるような存在ではなかった。当時の札幌近郊の普通列車の運行本数は地方都市並みであり、札幌市内の駅は函館本線が8駅、札沼線(現:学園都市線)は6駅しかなかった(現在はそれぞれ14駅、10駅)。当時の市民の足は専ら市電、バスであり、同じく通勤・通学輸送を目的とした札幌市営地下鉄にとって、鉄・軌道方式による相互乗り入れの必要性は低かったと考えられる。
しかし国鉄分割民営化に前後して、国鉄・JRは札幌近郊輸送を重視するようになり、列車の大幅な増発や駅の増設、また函館本線の高架化や札沼線(学園都市線)の複線高架化を行った。結果、現在ではJRも通勤・通学路線としての役割を担っている。そのため、路線が市内東西に並行するJR函館本線・千歳線と東西線、南北に並行するJR札沼線と南北線北部・東豊線北部が競合状態にある。
JRとの相互乗り入れの可能性については、1995年から札幌市とJR北海道の部・課長クラスで「JRと地下鉄連携に関する研究会」を設けて検討され、鉄道総合技術研究所に調査委託した。翌1996年の研究所からの報告書では「両軌道に対応できる車両を開発する案が有力で、技術的には可能」とされた。しかし、その開発費は数百億円から1千億円程度に上るとのことで、その後の市総合交通対策調査審議会により、採算を理由に見送られた経緯がある。
JR、地下鉄ともに利用可能な相互連絡乗車券や定期券は期間、数量限定の「YOSAKOIソーランパス」以外発売されていない。また運行障害が発生しても振り替え輸送は従来行われていなかったが、2008年11月からJRで2時間以上の運行障害が発生した場合、地下鉄への振り替え輸送を行う事になった。これは2007年12月に札幌周辺のJRが防護無線の誤発報で長時間に渡って運行が乱れた際、その対応でJR北海道に厳しい批判が寄せられたことから札幌市交通局との間で協議が進められていた。
ICカードの導入時も共通化を図る方向で2005年より協議が進められていたが、JR東日本のSuicaと共通化させることを優先するJRと、バスや市電など市内交通機関との共通化を主張する交通局との間で意見が分かれ、当分の間共通化は見送られる事になった。当面は2008年10月より導入されたKitaca(JR北海道)と、2009年1月より導入されたSAPICA(札幌市交通局)の2枚を使い分けることになる。
JR北海道と札幌市営地下鉄は同じ北海道の鉄道事業者でありながら、対応やサービスの異なる面が多い。サービス面での違いは以下の通り。2009年3月31日までは、携帯電話のルールに関しても違いがあった。
- 車内の冷房装置
- JR北海道:あり
- 札幌市営地下鉄:なし
- 駅ナンバリング
- JR北海道:採用は地下鉄より遅れたが、車内LED案内表示器でもナンバリング表示
- 札幌市営地下鉄:先に採用したが、車内掲示の路線図などでは現在もシールのみで対応。車内LED案内表示器は一部非対応
- ホームでの乗車待ち整列
- JR北海道:2列
- 札幌市営地下鉄:4列
- 携帯電話(2009年3月31日まで)
- JR北海道:優先席と周辺部のみ電源OFF、それ以外の場所はマナーモードに設定のうえ通話は禁止
- 札幌市営地下鉄:全面禁止・電源OFF(2009年4月1日からはJRと同様)