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スターリンは、帝政時代において少数民族であり一般のロシア人より格下と認識されていたグルジア人である。貧困層で身長が低く、加えて自身がグルジア人であるというコンプレックスは相当に強く、劣等感の強い男であった。人一倍コンプレックスを強く感じるゆえ、スターリンは異常なまでの権力欲、顕示欲の塊であり、その目的を達するためには全く手段を選ばなかった。裏切り者を絶対に許さない不寛容さと、人間を殺すことをなんとも思わない冷酷な性格の持ち主であった。加えて非常に我が儘であり、別荘で昼寝をしていたとき、たまたま犬の散歩で近くを通りかかった老人を、「犬がうるさい」というだけの理由で処刑してしまったこともある。また、粛清した政敵の写真を見て悦に入りながら、故郷のグルジアワインを愛飲していたという<ref name="Nomenklatura" />。
軍隊の最高司令官となったスターリンは、さらに冷酷無比な存在として恐れられた。スターリンとの電話の際、将軍たちはたとえスターリンが目の前にいなくても誰もが直立不動、「気をつけ」の姿勢になったとされる。独ソ戦では、敵前逃亡者は銃殺または戦車で轢き殺し、さらには彼らの家族をシベリア送りにするという酷薄な命令を出している。帝政時代に兵士を自ら看護したロマノフ家皇女のオリガ、タチアナとは真逆で、自国の兵士を駒としか見ていなかった。
また、一度でも敵の捕虜になっていた兵士をスターリンは「スパイの可能性がある」として決して信用せず、帰還しても彼らは強制収容所へ送られた。晩年の猜疑心が強かった時期には、遥か以前の第一次世界大戦時に捕虜になった者を処刑するほど疑い深かった。独ソ戦中、ナチスはロシア人の捕虜に対して過酷な待遇を取ったが、スターリンは自国民の捕虜に対する赤十字の調査も拒否し続け、挙句の果てにはロシア人の捕虜が収容された収容所を爆撃させている。爆撃機からばらまかれたビラには「祖国を裏切った者たちへ」と書いてあった。