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上述のとおり、イージス艦とはイージスシステムを搭載する艦のことである。しかし、イージスシステムの実用化から25年が経過しているにもかかわらず、とくにその中核となるSPY-1レーダーなどは、今でも他機種の水準をはかるための基準として利用されている<ref>野木恵一「世界の艦載多機能レーダー」『世界の艦船』2008年3月号(通巻687号)、86-89頁</ref>。このため、本来は「イージス艦」と呼ばれるべきでない艦がイージス艦に例えられることがある。例えば、ドイツのザクセン級フリゲート、オランダのデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲートなどはしばしばミニ・イージス艦と称される<ref>編集部「世界のイージス艦とミニ・イージス艦」『世界の艦船』2006年12月号(通巻第667集)、84-89頁</ref>。また、同じく四面固定式のフェイズドアレイ・レーダーを採用していると思われる中国の蘭州級(052C型)駆逐艦は、「中華イージス」と呼ばれる事が多い。
海上自衛隊のむらさめ型護衛艦においては、「ミニ・イージス艦とも言うべき高性能艦」などと紹介される一方で、「ミニ・イージス艦となる予定だったが断念した」など報道される事もあり、混乱が見られる。むらさめ型は対空戦闘システムFCS-3の搭載を断念した経緯があるが、たとえ搭載されたとしてもFCS-3は国産の対空戦闘システムであり、イージスシステムとは別物である。また、むらさめ型はフェイズドアレイ・レーダーであるOPS-24を搭載しているが、これは純粋の捜索レーダーであるので、多機能レーダーであるSPY-1とは別種のものである。
これらの「ミニ・イージス艦」には、下記のような共通点が認められる。
- NTU改修艦の場合のような数個程度ではなく、十数個〜数百個という非常に多数の空中目標への同時対処が可能な防空能力を備えている
- 高度に統合された戦闘システムを備えている(NAAWSやATECS)
- フェーズドアレイ・レーダーを搭載している
- 垂直発射式のミサイル・ランチャーを搭載している
本来GE社のジェットエンジンに装備されている再燃焼装置を指す言葉であるはずの「アフターバーナー」が、ジェットエンジンの再燃焼装置全般を指す用語として使われているなど、類似の事例は皆無ではない。
しかし、「イージス艦」「イージスシステム」に関しては、現在の所、イージスシステムを搭載していない類似能力搭載艦を、読者の理解を容易にするために「ミニ・イージス艦」「〜版イージス艦」などと条件付きで活字表現されることはあるが、「イージス艦」であると断言されることは無い。また、「アフターバーナー」も普通名称と誤認されやすい登録商標というだけであり、普通名称化がGE社や公的機関により認められているわけではない。