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「イージス艦」とは、艦隊防空システムである「イージスシステム」を搭載するあらゆる艦艇を指す総称である。したがって、「巡洋艦」「駆逐艦」といった軍艦の艦種を指すものではなく、実際、2009年現在で巡洋艦、駆逐艦、フリゲートの3つの艦種に搭載されており、小型のコルベットなどに搭載する案もあった。
イージスシステムは、同時に多数の空中目標を捕捉し、これらと交戦できる画期的装置であって、このイージスシステムを搭載しているおかげで、イージス艦は、特に防空能力について非常に優れている。このため、艦隊の防空の要として活動することが多いが、90隻と多数を保有するアメリカにおいては、そのほかにも、トマホークによる対地攻撃から海賊の取り締まりに至るまで、様々な任務に使われている。その最大の特長である防空能力は、いずれもイージスシステムによってもたらされたもので、遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断・対応できる情報処理能力、一度に多くの目標と交戦できる対空射撃能力によって支えられている。また、イージスシステム以外にも、イージス艦が搭載する全ての兵器は、イージスシステムを中核として連結され、イージス戦闘システムと呼ばれる統合システムを構築している。これによって、イージス艦は、対空・対艦・対潜水艦など、戦闘のあらゆる局面において、脅威となる目標の捜索から識別、情勢判断から攻撃に至るまでを、迅速に行なうことができるのである。
その一方で、武装の搭載量や抗堪性などは、従来の艦と比べて特に優れているわけではない。従って、かつての戦艦に相当するような艦と解釈するのは誤解である。また、建造費や運用コストなどが高くつくことも強いて挙げれば欠点のひとつといえよう。
イージス艦の搭載するイージスシステムは極めて高価である上、開発国アメリカの提供認可査定が極めて厳しいことから、その保有は相応の経済力とアメリカからの同盟国としての信頼を持つ国家に限られている。また、これらの要件を満たしていたとしてもその国の置かれている環境において過剰性能となる場合、あえて導入しないという選択肢もありうる。
なお、近年、ヨーロッパにおいては、PAAMSやNAAWSなど、イージスシステムに類似、あるいは同等の機能を持つとされる防空システムが開発されており、イギリスやフランス、ドイツなどは、イージス艦を導入せずに、これらを搭載した艦を建造・就役させている。これらの艦艇については、イージス艦と類似した点があることから、ミニ・イージス艦と俗称されることがある(詳細はを参照)。