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犯罪行為(構成要件に該当する行為)はあるものの、責任能力が認められない場合(心神喪失が認められた場合)には、有罪とすることはできず、無罪判決が出される。
心神喪失による無罪判決に対して、客観的真実としての「無実」と同視するならば違和感が生じうるものであるが、この場合の「無罪」は、被告人が罪とならないことを意味する。責任能力を有しないものが行った行為については、本人に帰責することができず、当人との関係では「無罪」となる(必ずしも「無実」ないしは犯罪的行為の不存在を意味しない)。言い換えれば、有罪判決は、「構成要件に該当し」「違法で」「有責性がある」の3要件が認められた場合にのみ出される。
なお、この場合の「無罪」は「無罪放免」を直接には意味しない。医療観察法が施行される前の日本国内では、精神保健福祉法に基づく措置入院等の、強制入院(非自発的入院)の対象になりえた。しかし、その処遇が不十分であるなどの批判があり、2003年7月に医療観察法が制定され、2005年7月に施行された。この医療観察法に基づく入院処遇は、刑罰ではないが、「この法律に基づく入院医療を継続する必要性がなくなる」(同法49条1項等参照)まで、同法に基づく指定入院医療機関での入院が継続されうるものである。
つまり、責任能力の欠如という理由で無罪となっても、そのまま無罪放免として単純に一般社会に戻されるわけではなく、一定の施設を有する医療機関に「入院」させられ常時監視下に置かれ、事実上は長期間に渡って社会から隔離される事となる。状況次第ではその「入院」が有罪であった場合の懲役刑の上限よりも長期間に及ぶ可能性もある。いつになれば自由の身となれるのかが定かではないという意味では、不定期の禁錮刑に近いものであるという指摘もある。