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11.問題になったCM
テレビのCMでは、視聴者にインパクトを与えるべく、台詞(キャッチコピー)や映像作りに腐心しているが、時として表現について問題視される作品が出現することがある。問題視されたCMの中には本当に大問題なものもあるが、現在においては意識の変化なのか、かえって過剰とも愚かとも言える(クレームをつける側も聞く側も)配慮を求め、またなされている。背景にあるのは「コマーシャルは『好きでない人』はいても良いが、『嫌いな人』がいてはならない」という、広告業界全体の潮流であり、広告、放送、コンテンツなど、コマーシャルに関わる各業界が直面している現状を垣間見ることができる。
- 1975年に放送されたハウス食品工業(現・ハウス食品)「シャンメン」 のCMで「私作る人、僕食べる人」のキャッチフレーズが婦人団体から「女性蔑視」とクレームがあり、ハウス側は「差別的意図はない」と否定したが、その後打ち切られた。
- 1982年に政府広報が制作・放送した覚醒剤防止キャンペーン「母と子」のCMで、泣きじゃくる子供の横で母親が覚醒剤を打った直後に倒れ、その後画面が暗くなって子供だけが残り、母親を呼びながら泣き叫ぶという内容に対して「怖すぎる」、「やりすぎ」、「見ていて不快」といったクレームが多発し、その後打ち切りとなった。
- 1984年頃に放送された、サントリー缶ビールのCM(歌:松田聖子『SWEET MEMORIES』)内のペンギンのキャラクター「パピプペンギンズ」のクローズドキャンペーンにおいてのグッズプレゼント(缶ビールに付いているシールを送る応募方式)で、そのグッズ欲しさに小学生・中学生を中心に未成年者が同製品を購入する姿が問題視され、サントリーはパピプペンギンズのCMを取りやめた。<ref>パピプペンギンズのキャラクターはその後、キンカン「金冠のど飴」、auの「au My Page」のCMに起用されている。</ref>
- 1988年に放送された日産自動車「セフィーロ」のCMで井上陽水のセリフ「皆さん、お元気ですか〜」が昭和天皇が入院した際を想定して途中で編集された(しかし映像はそのままな為、映像と音声が合わなかった)。トヨタ自動車「カリーナ」のCMでも「生きる歓び」のキャッチコピーが同様の理由で中止となった。
- 1980年代後半から放送されたたばこのケントのCMで、仕事中に一服すると周りがリゾート地に変わるという演出に、「幻覚を見るような成分が入っているのか?」という抗議でケントを手に取ると風景が変わるというように変更された。
- 1991年に放送されたエーザイ「チョコラBBドリンク」のCMで桃井かおりのセリフ「世の中、バカが多くて疲れません?」にクレームが付いたため、「世の中、お利口が多くて疲れません?」に変更された(これはビートたけしのネタにもされた)。
- 1991年に放送されたペプシコーラのCMでMCハマーが密かに入れ替えられたコカ・コーラを飲むといきなりテンションが落ちるというCMで局によりそのまま放送した局(日本テレビ)とコカ・コーラの缶をモザイク修正、「コカ・コーラ」のセリフを特殊加工で打ち消した修正版で放送した局(TBS、フジテレビ他)で分裂し物議を醸した。最終的に修正版に統一されたが、希望者全員に放送予定のバージョンを含んだオリジナル版CMビデオカセットを配布した。露骨な比較広告の一。
- 1992年秋から1993年始めにかけて放送された三洋電機のコードレス電話機「新テ・ブ・ラコードるす」で、所ジョージが手足を縛られ、赤い袋に入れられ更に首付近を縛られたCMが障害者団体の抗議により放送が中止された。
- 1994年ごろに放送されたチロルチョコのフレークチロルのCMで、小学生の女子がスカートをめくるシーンがあった。PTAからの苦情があり、チロルチョコではCMの内容を差し替えた。
- 1995年夏に放送されたサントリーBOSSのCMで矢沢永吉のセリフ「夏だからってどこか行くのやめません?」に「レジャー気分に水をさす」と旅館経営者からクレームがあり、放映を中止した。
- 1996年に放送された日産自動車「スカイライン」のCMで牧瀬里穂のセリフ「男だったら、乗ってみな。」とキャッチコピーに対して男女差別というクレームが付いたため、「キメたかったら、乗ってみな。」に変更された。
- 1999年に放送されたハウス食品「ハウスシチュー」のCMで母親のセリフ「犬と一緒に遊んじゃダメよ」が動物愛好家から「ペットを捨てる事を推奨している」というクレームがあり、セリフが「暗くなるまで遊んじゃダメよ」に変更された。
- 1990年代末期から2000年代初期にかけ、特にアース製薬や白元などの殺虫剤のCMにおいて、3DCGでリアルに作られた害虫の映像が頻繁に流され、中には実物以上に気味悪く強調されたものまで制作された。この傾向に、視聴者からスポンサーなどに「食事中に突然出てきたり、テレビを見ている時に突然害虫が出されることで企業への嫌悪感が増す」という抗議が増え、害虫のリアルな3DCG映像や実物を画面に出すことを控えることになった。
- 2001年に放送されたトヨタ自動車「WiLL Vi」のCMで列車に追われながら線路を走るシーンに「危険だ」というクレームがあった。その後踏切事故が発生したため、放映を中止した。
- 2001年に放送されたトヨタ自動車「ガイア」のCMで妻が夫に発した「パパはいらないわ」のセリフとコピーに対し、クレームがついた。
- 2001年に放送された、育児放棄を題材にした公共広告機構(現:ACジャパン)のCM「チャイルドマザー」・「チャイルドファザー」は、「子育てをしている親に対する温かい激励よりも厳しい批判に感じられ、見るのがつらい」という意見が多かったため、打ち切られた。他にも怖いCMがある。
- 2002年にイギリスで放送された「XBOX」のCMで、「生まれた新生児がかなりのスピードで空を飛びながら短期間で成長し、最後は老人となって墓に突っ込み、「Life is short. Play more.(人生は短い、もっと遊ぼう。)」とキャッチコピーが出る」という内容に「ショッキング」等のクレームが136件寄せられ、放送が中止となった。
- 2003年に放送されたアサヒ飲料「十六茶」のCMで、散歩をしている途中、後ろからCGの猪に突進されて崖へ転げ落ちるシーンに動物愛護団体やJAROなどへ「ショッキング」というクレームが相次ぎ、放送開始から約1週間後に猪が来てびっくりして崖へ転げ落ちる表現に変更された。
- 2003年に放送されたアサヒビール「アサヒ本生アクアブルー」のCMで、潜水直後の飲酒を連想させるシーンがあったため、別のCMに差し替えられた。潜水直後に飲酒すると減圧症になるおそれがあることからであり、健康上の問題となるため。
- 2003年11月に放送されたソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション2用ソフト「SIREN(サイレン)」のCMが「子供が怖がる」などの苦情が相次ぎ、放送期間の終了前に別のソフトのCMに差し替えられた。
- 2004年、岩手県の選挙管理委員会が放送した選挙啓発CMで、セイン・カミュのセリフ「不満があるのに何も言わないの?」を、自民党の岩手県連が「与党批判の印象を与えかねない」と反発したため放送中止となる。また、同様のコンセプトで作られたポスターも掲載中止になった。
- 2004年にアメリカで放送されたシボレー・コルベットの少年が夢の中でコルベットを運転するという内容の新コマーシャルが、消費者団体、安全団体の抗議を受け放送中止。
- カップヌードルの2005年上半期CMで、少年兵が銃を携えて海を見張っているが、妹がやってくるとあどけない笑顔に戻る、というバージョン。日清は「少年兵がいる現実を考えてほしい」という社会道徳的意図に基づいて製作したが、“少年兵の肯定”という誤解に基づく苦情があり、短期間での終了であった。なお、映像には「世界には、約30万人の少年兵がいる。彼らのために、私達は何が出来るだろう?」という一文も入れられていた。
- 2005年に放送されたアサヒビール「チューハイDew(デュー)」のCMで、長々と「デュー」と叫ぶ部分に「うるさい」等の苦情があり、ナレーションを差し替えられた。
- 2005年1月より放送されたダイハツ工業「ムーヴカスタム」のCMで、風がトレーラーやバイクを吹き飛ばしているシーンに対し「自然災害を思い起こさせる」という苦情があり、一時的放送を中止、同年2月オンエア分以降より「vs.風の魔人」のテロップが追加された。
- 2005年、資生堂が3月に発売した発毛促進剤「薬用アデノゲン」のテレビコマーシャルが、鏡面床の空間に、大量の滝のポストカードをビニールに差込み、壁面3面に展示する横尾忠則の作品と「アイデアやコンセプトが私の作品と類似している。広告の作り手の主体性とモラルを問いたい」と本人が抗議。直後に資生堂はCMの放映をやめた。この件に関して、手法はアンディ・ウォーホル、荒木経惟など、数多くの芸術家が実践してきた手法であり、インスタレーションの手法としては一般的である。1990年の「GOKAN」というエキジビションで、テレビCMを手がけたタナカノリユキは、底を鏡面にした作品をすでに発表している。横尾は滝のポストカードだったのに対して、CMは商品対象になる人物たちのモノクロ顔写真である。
- などから、模倣という指摘に疑問をもつ声もあがっている。タナカノリユキは模倣を否定している。
- 2006年に放送された日本コカ・コーラの「からだ巡茶」のCMにおける「広末涼子、浄化計画」というキャッチコピーが同年6月8日に「『浄化』は老廃物除去を連想させ、医薬品の効能があると勘違いされかねないため、薬事法に抵触する」と東京都に指摘され、同年7月29日よりキャッチコピーを「気分浄々」に差し替えた。しかし、このコピーも東京都から指摘された。
- 2006年12月に放送されたソフトバンクモバイルのゴールドプランで、女子学生たちが他社携帯ユーザーに電話をかけづらい状況を説明した。これがいじめを助長しているとされ(励まし方があまりにも残酷なこと)、JAROに対し苦情が1日250件以上来た。その後、最後にテロップで「友達は大切に。」と入れられたが、苦情は減らず、このCMは予定より早く放映を終了した。
- 2007年4月より放送されたセコムのCMで、通行人や電柱上の作業者が猛獣に変身するシーンに「電設業者などへのイメージダウン」になるとのクレームがあり、6月から電柱上の作業者の部分のみをカットしたCMに差し替えた。
- 2007年にJR東日本の電車内で放送されていた全日本空輸のCMは、ワシントン条約に違反するトラを飲食物として販売して問題になった桂林市の観光地を舞台にしたため抗議を受け、同年7月5日に打ち切られた。
- 2007年10月24日より放送された日本コカ・コーラの「からだ巡茶」のCMにおける広末涼子セリフの「ブラジャーが透けるほど汗をかいた最後っていつだろう」に「ブラジャー」は性的表現で不快だという苦情が入り、2008年1月1日より「こんなに汗をかいた最後っていつだろう」に差し替えられた。
- 2007年秋から放送された高橋酒造のCMでくりぃむしちゅーが熊本県知事選へ出馬するか否か悩むと言う内容が、2008年3月に行われる熊本で県知事選に対し不謹慎との理由から、九州地区内での放映が自粛された(その後、選挙と無関係な新バージョンが開始され再開された)。
- 2008年1月15日から岐阜県・愛知県・三重県で放送されているおやつカンパニーの「地元伊勢の国うす焼えびせん」のCMで、出張した夫が土産に買ってきた地元伊勢の国うす焼えびせんを妻が別の男性と食べるという内容に「不倫を題材としていて不快だ」という苦情が入ったため打ち切りが決定した。
- 2008年3月より放送されたダイドードリンコ「葉の茶 朝摘み」のCMが、同年8月から茶摘み娘たちの「朝摘み」を連呼する回数を半分に減らした(少し間を空けてから「朝摘み」と言う)バージョンに変わった。
- 2008年から放送されているジョンソン・エンド・ジョンソンの「薬用リステリン」のCM『水曜日の朝』で、放送当初に流れていた「まだ水曜日~」が短期間でカットされたバージョンに変更された。しかし、「ゴミ袋をゴミ収集車に投げ入れる」と言う内容が問題視された事から「ゴミ袋を収集中の清掃員に渡す」に変更され、2度変更されると言う珍しい事例となった。
- 2008年6月より放送されたイー・モバイルのCMで、サルが演説を行ったり、「CHANGE」を掲げていたりと、バラック・オバマのパロディーCMに対し「人種差別だ」と抗議され、打ち切りとなった。
- ※これ以外に、時間帯や番組内容に配慮されていないCM(食事時や料理企画の放送時の雑菌や排泄の表現があるCMなど)などが問題視される事がある。
(出典:Wikipedia)
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