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江戸時代の日本では出版には届け出が必要であり、これを犯したものは罰せられた。例えば1855年に仮名垣魯文の『安政見聞誌』を出した版元と共著者の一筆庵英寿は手鎖の刑となった(但し、魯文は無署名であったため筆禍を免れた。)。近代の日本では非戦時でも出版法、新聞紙法などにより言論統制は行われた。横須賀の軍港付近などの地理記述、写真は発禁の対象となった(ただし、現在でも自衛隊の基地及びその周辺を無許可でみだりに撮影することは、日本の安全保障上及び撮影者個人の安全上の配慮から制限されることがあるので注意されたい)。共産主義・無政府主義の理論・戦略の宣伝、その運動の実行の扇動、その団体の支持、君主制の否定、植民地の独立運動の扇動、財界を撹乱する言論、堕胎方法の紹介などは禁じられた。
戦時体制下の日本では、出版法、新聞紙法、国家総動員法などをよりどころにした言論統制の実務が情報局を中心に行われた(安寧秩序紊乱に関わる発禁命令権者は内務大臣)。現在は日本国憲法で言論の自由の保証が明文化されているが、その日本国憲法下においても、プレスコードなどGHQによる言論統制、弾圧は強力に行われていた。アメリカなどの自由主義諸国でも戦時においては言論統制は当然のように行われる。大韓民国では国家保安法により共産主義の理論・戦略の宣伝、その運動の実行の扇動、その団体を支持する言論は禁じられている(現在、朝鮮戦争は休戦中であるが、大韓民国は休戦協定に参加していないため現在も「戦争継続中」である)。
現在でも中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、イスラム諸国、一部のアフリカ諸国などや軍事政権下では日常的に言論統制が行われており、国営放送など政府系の報道機関を通じて虚偽の情報を流すこと(情報操作)によって自国内の結束が維持されている。かつては3大マスコミ(TV、新聞、ラジオ)が情報統制、世論操作に使われていたが、近年ではインターネットも格好の道具として使われており、たとえば2006年9月現在中国語版ウィキペディアは中国国内ではアクセスできない(中国大陸におけるWikipediaへのアクセス封鎖)。
民主主義国家とされる国でも、国家による言論統制が行われる、ないしは試みられることがある。近年ではロシアやコロンビア、イタリアなどで、国家そのものが直接関与せずとも、与党の有力政治家が個人的に多くのメディア企業の経営権を掌握して言論への影響力を及ぼしている例がある。ドイツではヒトラーを礼讃したり、ナチスの意匠や出版物(たとえば、ヒトラーの著作『我が闘争』)を流布すると厳しく取り締まられる――これは「戦う民主主義」という名目で統制が正当化されている例である。韓国では戦前の日本の植民地支配を肯定するなどのチニルパ(親日派)的発言をすると国家侮辱罪で取り締まりの対象となることが度々ある。日本では言論の自由が保障されているが、菊タブーや鶴タブーなど言論の禁忌が少なからず残存(但しこれらは自主的な自己検閲に類するもの)しており、近年では人権擁護法案が言論統制に繋がる可能性があるとして議論を呼んでいる。また児童ポルノ法の改正案に盛り込まれていた実写を伴わない創作物の規制、及び単純所有の処罰は、警察主観による言論統制や別件逮捕の手段になり得るとして、日本共産党等が反発している。公安警察や公安調査庁を政治警察などとして批判する政党や個人もあるが、大勢の支持は得ていない。
ロシアやフィリピンなどのように、言論の自由があっても政治的殺害に巻き込まれる可能性もある。
元来の用法からは、国家権力を有しない個人・団体が抗議活動を行い、その結果として自主規制の形で出版・報道されないことがあったとしても、このようなことを指して言論統制と表現するのは誤用である。しかし、特にその個人・団体の社会的影響力が大きい場合、抗議されたメディア側がこれを「言論統制」だと主張して反発することも多い。
ただし一方で、抗議する側のメディアが既成組織と交わることにより、メディア自体が悪質なプロパガンダ主体と化す危険性もある。