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2.人工的な国家理論
2.2.その影響と解釈
ホッブズが展開した国家理論は自然状態を想定し、そこから人工的に国家モデルを作り上げたという点で近代国家理論のさきがけであった。このように自然状態を措定し、現実の国家社会との間に契約という飛躍を設定する理論は社会契約論と呼ばれている。このことはホッブズ以前の社会契約が既成国家の説明原理にとどまり、基本的に支配=服従契約と見ているのに対し、平等な個人間の社会契約による国家形成という新しい視点を開いた。またこのような社会契約の要因として人間の自然理性を重視していることから、啓蒙主義的な国家理論であるということができる。ホッブズの理論を批判的に継承したのはロックとルソーであるが、両者とホッブズの決定的な違いは、ホッブズが自然状態において自然法が不完全であるとするのに対し、両者は自然状態においてすでに自然法が貫徹されていると想定していることである。
このホッブズの政治理論の性格および歴史的意義については現在4つの主要な解釈がある。
絶対主義の政治理論説 - 以下の三点を主要な根拠としてホッブズの政治理論が絶対主義王政を支持するものであるとする説。ホッブズが社会契約を服従契約をみなしていること。主権者が一者であり、主権が国家理性であること。主権者が国内の宗教を含めてあらゆる国内的、国際的政策を統制できるとしていること。
近代的政治理論説 - 以下の二点を主要な根拠としてホッブズの政治理論が近代的で民主主義的な国家理論であるとする説。無神論的、唯物論的世界観、また理性主義に基づく平等思想を唱えていること。分析的に導き出したアトム的人間から構成的に人工の国家を導き出すという科学的手法をとっていること。
伝統的政治理論説 - 以下の二点を根拠としてホッブズの政治理論が伝統的なキリスト教倫理思想にのっとっているとする説。ホッブズの自然法思想がデカルト思想に影響される前からすでに形成されていたこと。ホッブズの宗教に対する言及が、無神論的立場ではなく信仰によっていると考えられること。
自然状態的政治理論説 - 以下の二点を根拠としてホッブズの政治理論が究極的に自然状態の理論であり、闘争の政治理論であるとする説。自然法が個人規模での闘争を止揚して国家規模の闘争を導いているにすぎず、本質的に闘争状態であることが変わっていないこと。国家状態が自然法に基づくとされていること。
このなかで1.と2.の見方が古典的で、現在でも有力な説である。
(出典:Wikipedia)
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