ランキングモンスター
イラク現地の武装勢力が、イラクに入国した外国籍のボランティア、NGO職員、民間企業社員、占領軍関係者などを誘拐する事件が頻発した。誘拐の要求の多くは、誘拐した外国人を人質に、彼らが本籍を置く政府に対して、イラクに派遣した軍隊(日本の自衛隊を含む)の引き上げを要求するものであった。
日本政府は、当時イラクへの渡航自粛勧告とイラクからの退避勧告を行なっており、被害者がそれを無視して渡航したことや、この拉致事件の解決を目的とし、被害者家族らが自衛隊の撤退を要求し、それがメディアで大きく報道されたことから、被害者とその家族に対する「自己責任」という言葉をキーワードとした批判、さらにそれに対する反批判などで国内政治家・マスコミ・世論が様々な見解をぶつけるなど、日本国内の注目を集めた。
派生して、次のような問題が起こっている。
被害者がボランティアを目的として入国したとすることについて、その内容の実際が、30代独身女性が個人的に自分のアパートで行っていた10代の男の子限定の物資の提供等であったり、高校を卒業したばかりの海外渡航未経験の未成年者による劣化ウラン弾の絵本書き(なお、この者は出版未経験者であった)のための取材がメインであったことがわかるにつれ、ボランティアとは何かとの論争を起こすきっかけともなった。
メディアの内側においては、一部新聞社が被害者宅の正確な住所を報道したり、報道陣が人質宅に大挙して押し掛けたことについて、人質宅すぐそばに練習グラウンドがあるJリーグチームが驚いたとの報道を行ったため、人質宅が特定された。そのため被害者宅へ手紙や電話・FAXが集中したことや、少なからぬキャスターが批判派・擁護派の一方を肩入れするような報道を行ったりしたことが、報道被害や報道の公正という観点から問題にもなった。
また各メディアの世論調査の数字の異なり(往々にして、メディア各社の報道姿勢に沿った数字が出された)などから、インターネットにおいては、2002年のサッカーワールドカップの日韓共催から始まったといわれる大手メディアの報道姿勢への非難が再燃した。
被害者3名のうち2名が北海道在住であったことから、被害者家族に北海道庁が東京事務所での便宜供与を行い、このため同事務所の電話回線が混雑し通常業務が円滑に働かなくなったり、職員(地方公務員)の残業手当等を含め北海道に相当の額の出費が強いられるなどの影響がでた。そのため、地元北海道では一般道民からの厳しい批判がなされ、地方自治体とボランティアの関係についての一石が投じられる形になった。(九州出身の被害者については出身県庁が積極的な便宜を図らなかったためこのような論議は起こらなかったが、後に全国的に地方自治体とボランティアという形で議論がされた。)
なお、この事件については、被害者による自作自演も疑われた。この自作自演については、全てがデマであるとの強力な批判もある。
また、被害者は事件によってPTSDになったとして詳しい説明を拒否しているため、この事件の具体的な実情は依然一般に明らかになっているとは言い難い。なお、PTSDにより日本のメディアに釈明ができないと主張した被害者のうち、30代独身女性は外務省の渡航自粛勧告を無視してすぐにイラクに再入国しその後自分のボランティアの正当性を主張する記事を北海道新聞をはじめとする数社の新聞社に載せている。同じくその後イギリスに渡航した未成年の10代男性もBBCなど外国報道機関には自己の正当性を主張しており、2007年発行の雑誌AERAにおいても手記を寄せているが、事件内容については依然分明ではない。