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3.貨幣の歴史

貨幣がいつごろ使われ始めたのかはよく分かっていないが、物々交換が盛んに行われるようになると、物資の交換に伴う不便が生じるため不便を取り除くため、(1)誰もが欲しがり、(2)集めたり分けたりして任意の値打ちを表すことができ、(3)容易に持ち運び、保存できるような品物が、交換の媒介物として用いられるようになった。これが物品貨幣(自然貨幣)または原始貨幣と呼ばれるもので、日常的に良く使うものが利用された。物品貨幣は、など装飾品や儀礼的呪術的なものも見られるが、その背景に宗教的意義を持つ場合が少なくない。

時代が下ると、青銅、あるいはなどの金属が貨幣として使われるようになった。現存する最古の鋳造貨幣は紀元前7世紀にリディア王国で作られた。これをエレクトロン貨という。また、中国では原始貨幣をかたどった鋳造貨幣が作られた(貝貨・刀貨・布貨)。金属は保存性・等質性・分割性・運搬性など貨幣としての必要な条件をよく満たしていることが普及につながった。古代エジプトでは鋳造貨幣は対外交易の際の決済通貨として用いられる程度であり、物々経済が主流であり本格的に鋳造貨幣が流入するのはアレクサンドロスによる征服以降であった。ローマ帝国の時代には兵士の給与に銀貨を大量に用いた事から地中海世界で銀貨(および補助貨幣として高額通貨としての金貨、低額通貨としての銅貨)が定着した<ref>俗にローマ軍団兵の給与は「」で給付されそれがサラリーの語源であるとの説があるが俗説の域をでない。salariumは高位の役職者(兵士ではない)に対して定期的に支払われる給与のことであって、なぜsal(塩)を語源にしているのかは文献的・歴史的には確定できない(逸身喜一郎『ラテン語のはなし』大修館書店)</ref>。古代から中世にかけて金属貨幣はその文明が採掘できる金属資源の賦課量に左右される傾向にあり、従来の鉱山が枯渇することにより貨幣制度はしばしば重大な脅威を受けることがあった。

中世になり交易の広域化がすすむにつれ紙幣が登場した。世界初の紙幣代に鉄銭の預り証として発行され利用されるようになった交子である。中世末期に入って、ヨーロッパでは大航海時代価格革命から商業的に大量の金銀が使用されるようになる。この金銀をそれまでのように取引に使用していては、盗難や磨耗の危険がある。そのため、人々は金銀を貴金属細工商の金庫に預け、代わりに証書を受け取った。証書はいつでも金銀に交換可能なため、紙切れでありながら価値を持った。人々は、やがて証書を使用して取引をするようになる。これが、現代の紙幣の先祖にあたる。証書を発行していた商人は、金銀が頻繁に引き出されなくなったため、証書を金銀の裏付けの無いまま発行して融資する業務を開始した。これが、現代の銀行の先祖に当たる。時代が下って、様々な商人が証書を発行するようになったため、これらの「銀行」が統一され紙幣発行権限をもつ中央銀行となった。諸銀行は、証書(紙幣)を預かる商業銀行となって現在に続いている。

法的に平価が定められ、金の裏付けをもとにして証書(紙幣)が発行される通貨制度を金本位制と呼ぶ。金本位制は度重なる変遷を得た後、第一次世界大戦から世界恐慌頃に相次いで停止され、第二次世界大戦後はブレトン・ウッズ体制下において、USドルのみが金と兌換でき、その他の通貨はUSドルと固定相場制をとることで価値を保証した。ニクソンショック後は、USドルと金の兌換が停止され、主要国は変動相場制へ移行。主要な通貨は、戦後に急成長した実体経済の経済力を背景に価値をもつこととなった。なお、現在でも信用力が低い国などが、USドルと固定相場制をとって(あるいは、USドルそのものを自国通貨とすることで)価値を保証している場合がある。

現代経済においては、国家は流通の安定のために法律によって通貨に強制通用力をもたせている。これを特に法定通貨(法貨)・信用貨幣という。このため、交換の媒介として所定の通貨を用いることを拒否することは通常出来ない。また、この法貨にあたる現金通貨は(日銀当座預金とともに)支払完了性を有しており、取引を無条件に完了させる決済手段として中央銀行がこれを提供している。

(出典:Wikipedia)

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