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開発段階から操縦性の悪さが露呈していた。12月18日には皇太子明仁親王(今上天皇)を招いての完成披露式典が羽田空港で開かれ、その数日後に試作機2号機(1002)が初飛行を実施、2機による本格的な飛行試験が開始されたが、空力特性が悪いために振動と騒音が発生し、性能にも重大な影響を与えていた。横方向への安定不足は特に深刻で、プロペラ後流によって右方向へ異常な力が働き、全ての舵が効きが悪く、操縦性は最悪の癖を抱え、試験中にきりもみを起こして墜落しそうになることもあった。いわゆる「三舵問題」である。
これらは、輸出に必要なアメリカ連邦航空局(FAA)の審査でも問題が指摘され、大規模な改修を余儀なくされた。この改修が予想以上に手間取ったため、マスコミからは「飛べない飛行機」などと散々にこき下ろされた。全日空は納入の遅れがはっきりしたため、競合機種であったフォッカーF27 フレンドシップの方を導入した。
初飛行を見届けて三菱に戻っていた東條も問題解決のため再び日航製造に復帰し、改修作業に加わった。横安定については主翼の上反角を4度19分から6度19分に持ち上げればよいとの結論を出したが、設計の変更と再組み立てには1年かかると見込まれた。そこで、川崎の土井の提案により主翼の付け根に角度2度のくさび型部品を挟み込むことで上反角を変更した。操縦性の悪さは方向舵と昇降舵のバランスタブを新考案のスプリングタブに変更、右偏向はエンジン取り付け部の後ろに三角形の突起(通称、三味線バチ)を取り付けることで解決、またステアリングの効きを良くするために、主脚を後方へ傾斜させ、車輪の位置を後退させた。
これらの大改修により、FAAの再審査で当時としては難しい片発離陸(離陸直後のエンジントラブルで片方のエンジンが停止しても安全に離陸できるかを試すテスト)を成功させ機体の性能の高さを立証、来日した審査官も大改修したYS-11が基準を満たしている旨をコメントした。