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「仮面ライダーシリーズ」第4作。
特撮ヒーロー作品では珍しい「噛みつき」や「引っ掻き」といった野性味あふれる攻撃、切り裂かれ血しぶきを上げながら散っていく怪人など、アクション演出面での派手さ・凄まじさはシリーズの中でも特に異彩を放っている。主役ライダーのメインの必殺技が歴代ライダーで初めてキック技ではないのも特色である。これは、「仮面ライダー」の「改造人間」という部分を突き詰めた「メカニック・サイボーグ」という設定などの新機軸を盛り込んだ前作『仮面ライダーX』が、その意欲とは裏腹に人気が出ず半年で打ち切られた反省から、第1作『仮面ライダー』第1クール(旧1号編)の制作方針である「異形のヒーローが活躍する、神秘に満ちた本格的怪奇アクションドラマ」への原点回帰を目指したためである。またOP曲も初代「仮面ライダー」と同じく子門真人が歌っている。「仮面ライダー」というキャラクターの「原点回帰」を突き詰めた結果として、前述の仮面ライダーアマゾンの強烈なるキャラクターと過激なアクションが生み出された。企画段階では「仮面ライダードラゴン=ドラゴンライダー」等とされていた。この他にも従来通りバッタをモチーフとした石森氏のデザイン画も存在している。
動物や昆虫の特性をダイレクトに取り込んだデザインと造形の獣人を尖兵とし、食料となる人間を片っ端から誘拐してはその生き血を抜き取って殺していき、その人間の死体を食肉として保存する悪の組織ゲドンの過激なまでの怪奇性も、当時の視聴者の度肝を抜いた。
生まれて間もなく南米アマゾンの奥地で遭難し、野獣の中で育ったが故に言葉もわからず、文明も理解できないまま日本に一人で放り出され、周囲の誤解に遭いながらも、ゲドンと孤独な戦いを続ける主人公の仮面ライダーアマゾンこと野生児アマゾン=本名・山本大介の悲哀を描いたハードなドラマも魅力だった。こうした怪奇性と悲哀を前面に出したハードな内容の基本となった第1話、第2話の映像および脚本の完成度の高さは、助監督の長石多可男をはじめとする東映変身ヒーロー最大の野心作かつ名作といわれている『イナズマンF』のメインスタッフが本作品の制作の中心となった結果であり、歴代仮面ライダーの中でも屈指であった。
しかし、その怪奇性とヒーローの孤独を中心に据えた作品展開が仇となり多くの子供たちに敬遠されてしまい、当初は好調だった視聴率が徐々に低迷してきたため、第6話でモグラ獣人がゲドンを裏切ってアマゾンの仲間になるあたりから大きな方向転換を余儀なくされ、低年齢向けの作風へと変化して視聴率の回復が図られた。視聴率回復のための強化策は次の3点である。
低年齢向けを目指した路線変更は、第14話でガランダー帝国が登場してから更に加速していくこととなる。古代インカ帝国の秘宝と、その秘密のカギであるギギの腕輪をアマゾンから奪うことを作戦の中心にすえたゲドンとは異なり、ガランダー帝国はインカの秘宝は自分たちの世界征服作戦には必要ないとし、ギギの腕輪を奪うことよりも世界征服作戦を優先させた。
ガランダー帝国は都市破壊をはじめとする大掛かりな作戦を次々と行っていき、それを阻止していくアマゾンの活躍をダイナミックかつ軽快に描いていった。しかし、それは本作品の「本格的怪奇アクションドラマ」への原点回帰により生まれた脚本と映像のクオリティーを低下させる結果となってしまったのは否めない。初期設定であった「獣人よりもジューシャのほうが地位が上」という設定も脚本家に浸透せず、逆の描写が見られた回もあった。
アマゾンを狙うゲドンが、突如として出現したガランダー帝国の策略により崩壊していく第14話と第15話の連続した展開はかなり見応えのあるものであり、ガランダー帝国の首領であるゼロ大帝が冷酷な独裁者としての不気味さが強調され、更に実はゲドンとガランダー帝国を裏で支配していた影の支配者と同一人物であり、自らの影武者を通じて作戦を立案していたという従来のシリーズにはない一筋縄ではいかない設定も盛り込んでおり、作品世界的にも見るべきものもあったと言える。しかし当時の子供達には理解しがたい筋書きであり、一度倒されたゼロ大帝がまた登場したとしか解釈できず、混乱を招いた。また、路線変更に伴うマイナス印象を払拭するにはいたらず、後年本作品が高く評価されていくに従い、ファンの間で賛否両論が渦巻く事となってしまっている。