起訴便宜主義を初めて明文化したのは、大正11年の旧刑訴法である。明治13年の治罪法や明治23年の旧旧刑訴法にも明文の記載はなく、学説上も起訴法定主義が有力であった。しかし実務上は「微罪不検挙」として起訴便宜主義的な解釈・運用がなされてきており、それを明文化したのが旧刑訴法279条の規定である。それを受け継ぐ形で、現行の刑事訴訟法は「犯罪の軽重」をいう語句を追加したうえで、起訴便宜主義を採用した。