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当時、首相官邸をはじめとする政府、国の機関が、直接に被災地域の情報を収集する手段は整備されておらず、地方自治体や各省庁の地方支分部局、自衛隊の部隊などから本省等へ上げられた情報を、迅速に集約する体制も、収集した情報を内閣総理大臣等へ通報する体制も整っていなかった。そのため、テレビやラジオなどの報道機関が最大の情報源となり、集約整理されていない情報をもとに、各機関が行動する体制となっていた。災害対策の所管官庁とされていた国土庁にも独自の情報収集手段はなく、関係省庁に上げられた情報を集約することも十分にはできなかった。
村山富市内閣総理大臣には地震の一報がかなり早い時点で入ったものの、これは首相が地震発生直後のテレビニュースをたまたま見ていたことによるもので、秘書官等から詳細な情報を上げることは遅くなった。その後、不完全ながらも随時上げられる情報により、未曾有の大災害であることが明らかになりつつある中でも、村山首相は懸案となっていた新党結成問題への対応や財界首脳との食事会など、予定通りの公務をこなす傍ら災害対応を行ったため、十分な対応を行わなかったのではないかという疑念を生んだ。
さらに、村山首相は、地震発生3日後に開かれた衆議院本会議の代表質問に対する答弁の中で、政府の情報収集の遅れと危機管理体制の不備を問われ、「何分初めての経験でもございますし、早朝の出来事でもございますから、幾多の混乱があったと思われまする」と答えたため、強く批判された。
出動した自衛隊も、交通渋滞や被災者がひしめく中で、部隊の移動・集結・宿営地の造営に手間取り、現地に到着したLO(Liaison Officer、連絡幹部)が状況を把握してから大規模な災害派遣部隊が現地に展開されて救助活動を開始するまでに3日間を要した(政治判断に3日を要したわけではない)。
最も早く救援体制を敷いた米海軍第7艦隊(横須賀)が、「艦艇を神戸港に入港させてのヘリコプターによる負傷者の救援」を政府に申し入れたところ、神戸市の受け入れ体制の未整備、政治的理由、接岸施設の被災による危険性などの要因により、拒否する事態を発生することとなった。しかし、この対応が特別であったわけではなく、当初から、各国からの支援の申し出にも政府として対応できていなかった。
日本が地震多発地帯であるにもかかわらず、前述の被害地域の惨状を把握する手段が十分に講じられていなかったこと、危機管理体制の欠如、縦割り行政といった行政上の様々な弊害が現れた。
兵庫県からの自衛隊への災害派遣要請が、発生後4時間以上も後であったことは前述のとおりであるが、県知事からの派遣要請がなされていない事を知った地元選出衆院議員・高見裕一(新党さきがけ議員)も、携帯電話によって東京の議員会館にいる秘書を通じ、防衛庁に緊急要請を行った際、東京では「“大げさだ”」「非公式」「未確認情報」との認識しかされていなかった。<ref>『官邸応答せよ』から「クビを賭ける、自衛隊を呼べ!」より</ref>