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鶴見線のまとめ


鶴見線(つるみせん)は、以下の路線から構成される東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。

== 概要 == 東京地区の電車特定区間の路線の一つであり、鶴見から横浜・川崎市内の京浜工業地帯へ向かう短い路線である。後述の路線データに示す3つの路線から構成されている。沿線は工場が多く、旅客列車はそれらの工場への通勤客が主に利用する。また旅客列車のほか、貨物列車が日本貨物鉄道(JR貨物)によって運転されている。

ラインカラー黄色()で、車体色や旅客案内に使用されている。全線でSuicaおよびこれと相互利用可能な乗車カードが使用可能となっている。

=== 路線データ ===

全線がJR東日本横浜支社の管轄である。

<gallery> ファイル:Fortsurumi.JPG|鶴見行方向幕は地色が白 ファイル:for-bentenbashi.jpg|弁天橋行も白 ファイル:for-ogimachi.jpg|扇町行は赤 ファイル:for-musashishiraishi.jpg|武蔵白石行も赤 ファイル:for-umishibaura.jpg|海芝浦行は青 ファイル:for-okawa.jpg|大川行は黄色 ファイル:tsurumi-line.jpg|鶴見線表示は白 </gallery>

== 運行形態 == === 旅客輸送 === 全列車が各駅停車で、ほぼ全列車が鶴見駅を発着する。

弁天橋駅以東の沿線は、安善駅の北側の一部を除くと、純然たる工業地帯であり、利用者はほとんどが工場の従業員である。そのため工場通勤客輸送に特化したダイヤが組まれており、朝夕に比べて昼間は利用者も少ない。朝夕は鶴見 - 浅野間で5-10分間隔、浅野 - 扇町・海芝浦間で10-20分間隔での運転となる。日中は鶴見発着が平日は20分間隔、土休日が30分間隔で運行される。かつては日中は鶴見 - 扇町・海芝浦の列車がそれぞれ毎時1本 - 2本運行されていたが、2009年3月14日改正で日中の鶴見 - 扇町・海芝浦の列車はそれぞれ2時間間隔での運行に減便され、日中は多くの列車が鶴見 - 弁天橋・浜川崎での運行となった。また、大川支線の大川駅には日中(9-16時台)に1本も運行されず、土休日は朝の2往復と夕方の1往復の3往復のみの運行となる。

1994年12月のダイヤ改正でJR東日本の東京圏のほとんどの路線が「土曜ダイヤ」を「休日ダイヤ」と共通化した中、鶴見線では利用者の大半は工場への通勤客の輸送であるがために、2004年3月のダイヤ改正まで長らく「土曜ダイヤ」が残されていた。その後「休日ダイヤ」と共通化し、現在は後述の臨時列車で対応している。

海芝浦駅にある東芝京浜事業所が土曜・休日が出勤日となる際や平日昼間に終業する際に、通常の列車本数では不足するため、鶴見 - 海芝浦間に臨時に列車を増発することがある。これはファンの間では「東芝京浜事業所の通勤客のための臨時列車」という意味合いから「東芝臨」と呼ばれている。この臨時列車は時刻表には掲載されておらず、運行日近くになると各駅の時刻表付近に掲出される。ダイヤ上も臨時列車扱いになっており、103系までは列車番号に「臨」を掲げて運行されていた。

=== 改札業務 ===

1971年に大幅な合理化が行われ、鶴見駅以外の各駅の出改札業務がすべて無人化された。そのため、鶴見駅にはJRと他社私鉄の連絡改札口と同様の中間改札口が設けられており、同駅で乗り換えて鶴見線の各駅へ向かう場合の運賃精算は同駅で行う形となる。浜川崎駅南武支線に乗り換える場合は、降車駅で精算する。しかし、Suicaシステムの導入により各駅には簡易Suica改札機が設置されたため、当初Suicaイオカードで乗車した場合には鶴見駅の自動改札機のSuicaセンサーに触れないようにとの注意書きがあった。その自動改札機は後に修正が加えられ、Suicaセンサーにタッチしないと改札口が閉まるようになってしまったが、タッチした場合でも自動改札機の画面にはその地点での残額が表示されるだけで入出場などの情報は書き込まれないため、横浜 - 尻手間を鶴見線経由で乗車しても正しく計算・入出場できるようになっている。

一方、浜川崎駅で南武支線と鶴見線をストアードフェア部分を使用して乗り継ぐ場合には簡易Suica改札機のセンサーに触れないようにとの注意書きが掲出してあり、万一触れてしまった場合は降車駅で駅員に申し出ることになる。

また、鶴見線全駅には近距離の自動券売機が設置されている。こちらではオレンジカードが利用できるほか、SuicaやSuicaと相互利用可能なカード(相互利用可能なカードは当該項目を参照)へのチャージもできる。ただし、使える紙幣は1,000円紙幣のみである。

=== 貨物輸送 === 沿線が工場の並ぶ京浜工業地帯であるため、化学薬品や石油輸送が盛んである。現在は、扇町駅からの化学薬品輸送、工場燃料用石炭輸送(三ヶ尻駅行)、安善駅からの在日米軍横田基地向け石油(ジェット燃料)輸送が行われている。 また、海芝浦支線は定期列車が運行されることはないが、新芝浦東芝向けの特大貨物輸送がまれに行われる。

== 歴史 ==

=== 鶴見臨港鉄道 === 鶴見線の前身となった、鶴見臨港鉄道株式会社は戦時買収後もそのまま存続し、鶴見・川崎の埋め立て造成を行った東亜建設工業株式会社(旧浅野財閥系)の傍系企業として現存している。同社は鶴見駅西口駅ビル「ミナール」のほか、JRの線路に沿って川崎方面に向かって数か所の不動産を管理・所有しているが、これはかつて路線を鶴見から先に延伸すべく確保した用地の名残である。

== 駅名について == 鶴見臨港鉄道の開業当時、この路線は埋立地上にあり、沿線には地名が存在しなかった。このため、鶴見線の駅のほとんどは、実業家などの名前や周辺地区から取られた名前が付けられている。

鶴見小野は地元大地主の小野信行、浅野は浅野財閥の創設者で、鶴見臨港鉄道の設立者でもある浅野総一郎、安善は安田財閥次郎、武蔵白石は日本鋼管(現・JFEスチール)の白石元治郎、大川は製紙王の大川平三郎から取ったものである。扇町も浅野家の家紋の扇に因む。

また、国道15号が近くを走るから「国道」、昭和電工扇町工場が近くにあるから「昭和」、石油精製所の近くにあったことから「石油(後の浜安善)」、曹洞宗の大本山である総持寺の近くにあったことから「本山(廃駅)」など、あまりにそのままな命名がされた例もある。

== 車両 == === 旅客列車 === 弁天橋駅構内に車庫の鶴見線営業所がある。かつては弁天橋電車区(南テシ)と称していたが、1988年に車両配置は中原電車区に統合された。

==== かつて使用された車両 ==== ※ここでは国有化以後の車両を挙げる。鶴見臨港鉄道時代からの車両については鶴見臨港鉄道の電車を参照。なおこのうちの1両が1951年銚子電気鉄道へ移籍し、「デハ301」として在籍している(現在は架線点検車として使用)。

<gallery> ファイル:JNR-クモハ12-1.jpg|クモハ12形 左側が増設側運転台、右側が本来のクモハ11時代からの運転台 ファイル:JRE-cMc12052.jpg|クモハ12形(武蔵白石駅 1990年12月頃) ファイル:JRE-EC-101-Tsurumi-Line.jpg|101系冷房改造車(武蔵白石駅 1990年12月頃) ファイル:Tsurumi Line 103 Series.jpg|103系低運車(2003年) </gallery>

=== 貨物列車 === 全線が電化されているが、非電化の側線で入換作業を行うために一部区間はディーゼル機関車が牽引する。

== 沿線概況 ==

|} === 本線 === 鶴見駅は、鶴見線がかつて私鉄の鶴見臨港鉄道であった名残が色濃く残る。鶴見線は、京浜東北線が発着する地平ホームではなく、西口側高架ホームに発着する。頭端式ホームで、乗換改札側から3・4番線と付番されている。また、鶴見線に乗車するには乗換改札を通過する必要があり、乗越精算はここで行う必要がある。もともとは私鉄であったゆえの乗換改札であったが、国鉄時代の昭和46年(1971年)に経営合理化の一環として鶴見駅を除く鶴見線全駅が無人化されたことから、ここで検札を行う必要が生じたため、そのまま残っているものである。列車は、朝ラッシュ時の一部列車を除き、乗換改札側の3番線に発着する。

鶴見駅を発車すると、しばらくの間は高架上を走行する。間もなく右手に曹洞宗大本山総持寺が現れると、線路中央に旧本山前駅のホーム遺構が現れる。左にカーブし横須賀線・京浜東北線・東海道本線東海道貨物線京浜急行線をトラス橋でオーバークロスし、国道15号第一京浜)を跨いだところで国道駅に到着する。

国道駅は、高架上の2面2線の相対式ホームの駅である。高架下は戦前の駅開業当時の雰囲気がそのまま残っている貴重な場所であるため、映画・テレビドラマのロケに数多く使用されている。また、当駅では、列車の到着時にホーム下のスピーカーから踏切警報音が流され、乗客に注意喚起を行っている。昭和50年代にはすでにこのようになっていた。国道駅を発車するとすぐに鶴見川を渡り、右カーブで高架から地上に降りたところで鶴見小野駅に到着する。

鶴見小野駅も2面2線の相対式ホームである。鶴見小野駅までは住宅街であるため、時間帯にかかわらず利用者は相応にある。また、近隣に市立鶴見工業高校及び市立横浜サイエンスフロンティア高校があるため、朝・夕のラッシュ時には学生の利用も多く見られる。なお、朝ラッシュの下り・夕ラッシュの上り以外は、当駅を境に大きな輸送段差が生じている。鶴見小野駅を発車し、首都高速横羽線産業道路の高架下をくぐり、左にカーブすると、弁天橋駅に到着する。

弁天橋駅は、1面2線の島式ホームで構成されている。構内北側の鶴見小野駅方には、鶴見線乗務員が所属し、運用車両が常駐する鶴見線営業所(旧弁天橋電車区)が所在する。そのため、運転士・車掌の交代も原則として当駅で行われる。また、朝ラッシュ後・夕ラッシュ前や始発・終電時には上り・下りともに当駅着発の列車が運転されている。そして、ここから先は工場地帯の中を走っていくこととなる。駅南側は旭硝子京浜工場・ユニバーサル造船京浜事業所などがあり、朝夕は、これらの工場への通勤客で賑うが、それ以外の時間帯は閑散としている。弁天橋駅を発車すると、右側にかつての鶴見川口への支線・旭硝子への入換線の広大な跡地を眺めながら、浅野駅に到着する。

浅野駅は、本線と海芝浦支線との分岐駅である。扇町・大川方面の列車は1・2番線の島式ホームに発着するが、海芝浦方面の列車は浅野駅の手前の弁天橋駅寄りの渡り線を渡って、3・4番線の相対式ホームに発着する。JFEエンジニアリング鶴見事業所の最寄駅であり、朝・夕のラッシュ時は多数の乗客が乗降するが、それ以外の時間帯は閑散としている。浅野駅を発車し旭運河を渡ると、間もなく安善駅に到着する。浅野 - 安善間がJRで最も駅間の短い区間 (0.5Km) の一つ。あっという間に到着する。

安善駅は、現在本線と大川支線の事実上の分岐駅となっている。ホームは1面2線の島式ホーム。線路自体は、隣の武蔵白石駅で分岐しているが、大川支線への20m級電車の入線に伴い、武蔵白石駅構内の大川支線用ホームが撤去されたことから武蔵白石駅を通過することとなったためである(詳細は後述)。後続に大川行の列車がある場合には、大川行はこの駅で乗り換えるよう車内アナウンスがある。また、2004年(平成16年)3月までは安善駅近くに県立寛政高校があったため、朝ラッシュ時や夕ラッシュには学生の姿も見られたが、現在は県立平安高校と統合されたため、鶴見小野駅を過ぎた所の住宅地からの姿を若干見かけるのみである。2008年4月以降神奈川県立東部総合職業技術校開校に伴い、職業訓練生の姿が見られるようになった。駅構内は、貨物の取扱があるため入換線が広がっており、米軍燃料輸送用のタンク車がよく停まっている。安善駅を発車すると、横浜市鶴見区川崎市川崎区の境になっている運河の鉄橋を越え、すぐに武蔵白石駅に到着する。安善 - 武蔵白石間も浅野 - 安善間に次ぎ短い区間 (0.6km) である。

武蔵白石駅は、2面2線の相対式ホームとなる。大川支線との分岐駅であるが、1996年(平成8年)年に1面2線の大川支線用ホームが廃止され、大川駅方面は安善駅と武蔵白石駅の間にある渡り線を渡って直接大川支線に入線するため、大川方面の列車は停車しなくなった(後述)。なお、1日に朝1本・夕1本のみ当駅発着の列車がある。駅北側に富士電機システムズの川崎工場、駅南側に日本鋳造の本社工場があるため、当駅も鶴見線他駅同様、朝夕は大変混雑するが、それ以外は閑散としている。駅前には民家が数軒あり、かつて1軒だけ立喰そばやパン・雑貨を販売する店があったが、現在は閉店している。武蔵白石駅を発車し、右にJFEスチール渡田地区の工場を眺めながら、右に緩やかにカーブしていくと、上を川崎貨物駅へ向かう貨物線が越してゆき、間もなく浜川崎駅に到着する。

浜川崎駅は、1面2線の島式ホーム。南武線浜川崎支線との乗換駅であるが、乗換には一度改札を出て、道路を挟んだ反対側にある南武線の浜川崎駅に行く必要がある。当駅は、JFEスチール渡田地区の正門側にあるため、跨線橋の出口と反対側にはJFEスチールの社員専用改札があり、朝ラッシュ時のみJFEの社員によって開けられる。当然であるが、JFEスチールの入構証がないと改札は通れない。浜川崎駅を発車すると、旅客線は単線となり左から貨物線が寄ってくる。そのため、見かけ上は複線のように見えるが、実際は貨物線と旅客線が単線で並行している形である。JFEスチールの工場を右に眺め、緩やかに右カーブを取り、南渡田運河を渡ると昭和駅に到着する。

昭和駅は、1面1線のみの駅である。昭和電工川崎事業所の正門脇にあり、ここから駅名が取られた。利用者は、昭和電工をはじめとする周辺工場の勤務者であるが、川崎駅からの川崎鶴見臨港バス川崎市バスの方が本数も多く(朝夕6分間隔/昼間10分間隔)便もよいことから利用者はあまり多くない。昭和駅を発車すると緩やかに右カーブを進み、目の前に貨物ヤードが広がってくると、終点の扇町駅に到着する。

扇町駅は、1面1線の行き止まり駅である。その先には貨物ヤードが広がり、三井埠頭や昭和電工の工場からの車扱の貨物列車が仕立てられている。昭和駅同様、川崎駅からの川崎鶴見臨港バスの方が便がよいため、利用者はあまり多くない。

=== 海芝浦支線 === 海芝浦支線発着の列車は、浅野駅手前の弁天橋駅寄りの渡り線を渡って、3・4番線の相対式ホームに発着する。この駅も大川支線の旧武蔵白石駅ホーム同様、右カーブの途中にホームがあり、車両とホームの間に大きな隙間ができる箇所がある。ただし、東芝京浜事業所本工場への特大貨物輸送があるため、古くから20m車でも十分通過できるように作られている。なお、海芝浦駅行の列車であっても、鶴見から乗ってきた乗客の多くがここで下車する。浅野駅を発車し、東芝京浜事業所への道路を横断した後、旭運河沿いをしばらくまっすぐ走ると、新芝浦駅に到着する。

新芝浦駅は、2面2線の相対式ホームを持つ。複線区間はここまでとなる。駅正面が、東芝京浜事業所の正門であり、外訪者は基本的にここで下車することとなる。川崎鶴見臨港バスが路線バスを川崎駅から朝1本・夕1本のみ運行しているのみであるため、従業員の多くは、鶴見線を利用する。新芝浦駅を発車すると、東芝京浜事業所の敷地内に入った後、単線となる。旭運河沿いを南下、京浜運河にぶつかったところで大きく右にカーブし、間もなく終点の海芝浦駅に到着する。

海芝浦駅は、東芝京浜事業所の中にある1面1線の行き止まり駅。東芝の敷地内であるため、東芝関係者以外は改札を出ることはできない。また、ホームの向こう側は京浜運河に面しており、天気のよい休日にはホームから釣糸をたらす姿も見受けられるが、風の強い日などは車両にまで参照)。

=== 大川支線 === 大川支線の線路は正式には、安善駅の隣の武蔵白石駅で分岐しているが、1996年(平成8年)に武蔵白石駅構内の大川支線用ホームが撤去され、大川支線の列車は武蔵白石駅に停車せず、安善駅が事実上の分岐駅となっている(後述)。

安善駅を発車すると、安善駅と武蔵白石駅の間にある渡り線を経て、本線上り線を逆走して武蔵白石駅直前の大川支線に入線する。

左手に武蔵白石駅を見ながら大きく右にカーブしながら通過し、右に日本鋳造本社工場を眺めながら(通過時には、構内踏切を保安員が手動で動作させる)直進、白石運河を越えると、間もなく終点大川駅に到着する。

大川駅は、1面1線の行き止まり式のホームのみの駅である。駅正面は三菱化工機の本社、周辺は日清製粉鶴見工場、昭和電工川崎事業所、大川工業団地などの工場が取り囲み、民家や商店は存在しない。大川支線自体は、平日朝5往復・夕6往復/土休日朝2往復・夕1往復しか運行されないため、平日朝夕はそれなりに乗客がいるものの、駅構内は、人気のない閑散とした状態となる。周辺工場へも川崎駅からの川崎鶴見臨港バスの路線バスが昼間でも毎時2本の運行が確保され、大川支線より始発は早く、終発が遅いため、鶴見線利用者よりもバス利用者の方が多い。


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