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人工多能性幹細胞のまとめ


人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう、Induced pluripotent stem cells)とは、体細胞(主に線維芽細胞)へ数種類の遺伝子転写因子)を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)に似た分化万能性(pluripotency)<ref>「pluripotency」の日本語訳については、科学者の間では「多能性」と訳されるが、「totipotency(全能性)」と「multipotency(多能性)」の中間の分化能力として捉えた場合、「万能」と表記した方が分かりやすいため、報道や講演などで多用される。なお、ES細胞は特定の条件化において、胎盤組織へと分化できることが分かっており、現在では「pluripotency」とは、それ自体では個体になり得ないが、すべての細胞・組織に分化できる能力とされている。</ref>を持たせた細胞のこと。京都大学山中伸弥教授らのグループによって世界で初めて作られた。

英語の頭文字を取り、iPS細胞(アイピーエスさいぼう)<ref>名称は通例では英語の頭文字を大文字で並べるが、「iPS細胞」と i だけ小文字になったのは、ES細胞が2文字であることから「できるだけ2文字に近づけようとした」という理由と、ヒット商品であるiPodにあやかったという理由がある。</ref>と呼ばれ、誘導多能性幹細胞(ゆうどうたのうせいかんさいぼう)<ref>この訳が原語の意味を正確に表現している。</ref>とも訳される。

元来、生物を構成する種々の細胞に分化し得る分化万能性は、胚盤胞期の胚の一部である内部細胞塊や、そこから培養されたES細胞、及びES細胞と体細胞の融合細胞、一部の生殖細胞由来の培養細胞のみに見られる特殊能力であったが、iPS細胞樹立法の開発により、受精卵やES細胞をまったく使用せずに分化万能細胞を単離培養することが可能となった。

分化万能性を持った細胞は理論上、体を構成するすべての組織臓器に分化誘導することが可能であり、ヒトの患者自身からiPS細胞を樹立する技術が確立されれば、拒絶反応の無い移植用組織や臓器の作製が可能になると期待されている。ヒトES細胞の使用において懸案であった、胚盤胞を滅失することに対する倫理的問題の抜本的解決に繋がることから、再生医療の実現に向けて、世界中の注目が集まっている。

また、再生医療への応用のみならず、患者自身の細胞からiPS細胞を作り出し、そのiPS細胞を特定の細胞へ分化誘導することで、従来は採取が困難であった組織の細胞を得ることができ、今まで治療法のなかった難病に対して、その病因・発症メカニズムを研究したり、患者自身の細胞を用いて、薬剤の効果・毒性を評価することが可能となることから、今までにない全く新しい医学分野を開拓する可能性をも秘めていると言える。

また、この技術を使えば男性から卵子、女性から精子を作るのも可能となり、同性愛者同士による子の誕生も可能にするため、技術適用範囲については大いに議論の余地が残っている。

人工多能性幹細胞の目次
 1.概略
(出典:Wikipedia)

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