ランキングモンスター
ヘイトクライムのまとめ
ヘイトクライム(Hate crime、あるいはBias crime)とは、ある人種、民族、宗教、性愛の有様など、「異なる集団に対する偏見・差別・蔑視」感情などが元で起こされる犯罪行為、とくに暴行、脅迫、殺人などの暴力犯罪を指す。
現在の一例としては、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以降の情報源・報道、偏見・無知によるムスリムへの不当な暴力など、様々なヘイトクライムが指摘されている。その他、様々な国で、ヘイトクライムと呼ばれうる行為が政府・民間問わず大なり小なり発生している。
現代日本における例としてはエルクラノ君殺害事件(1997年愛知県)がある<ref>西野瑠美子『エルクラノはなぜ殺されたのか』明石書店、1999年</ref>。
なお、北朝鮮のミサイル実験や日本人拉致事件発覚などの事件が起こった際、在日朝鮮人子弟への嫌がらせや暴行などが、ヘイトクライムでないかとの推測に基づく発表が朝鮮総連などからしばしばなされ、それが一部マスメディアに報じられているが、それらのケースでヘイトクライムと判明した例は未だ存在しない(チマチョゴリ切り裂き事件参照)。
一部の国々では、ヘイトクライムはその他の犯罪よりもより重い刑を課す法改正が行われ運用されているが、日本ではそのような立法は行われていない。 それは、一つには、暴力行為、特に殺人で相手に対する冷酷・憎悪が伴わないことなど刑法上の動機の定義上ありえないことから特定の「憎悪」を加重処罰する合理性に欠けるからであるとされる。 これに対して刑法の故意とは当該結果の発生を予見しながら認容し、当該実行行為に及ぶことにすぎず、相手に対する憎悪などは故意の要件ではないことから、故意とは別に特定の、主観的超過要素を構成要件とする犯罪としてヘイトクライムを規定することも可能であり、またその成立に主観的超過要素を要求する犯罪は刑法ではいくつか存在していることなどから重罰規定の合理性は存在するという反論もある。 しかし、前述のように、殺人に伴う数ある主観的要素のうちヘイトクライムのみを抜き出して重い刑を科すことの合理性、およびその成立範囲の不明確さの問題もあり現在のところ日本では、そのような立法は行われていない<ref>山口厚 『刑法総論』 (有斐閣)大谷實 『新版 刑法講義総論』(成文堂)刑法総論講義案(裁判所職員総合研修所監修・司法協会)大塚仁 『刑法概説(総論)』(有斐閣)他刑法総論の基本書多数。刑法135条(窃盗罪)</ref>
また、社会学的なヘイトクライム重罰規定に対する批判として、ヘイトクライム重罰規定の条件となるのは差別・偏見に基づく憎悪であることが一般的で、「冷酷・憎悪」一般を問うものではなく、社会的立場に基づく主観的超過要素である。よってヘイトクライム重罰規定は動機のポリティカル・コレクトネスによるものであるとして保守派やリベタリアンおよび一部の人権論者などからの批判が存在する。